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【保存版】車のエアコン修理費用の相場!よくある7つの故障症状と故障箇所、安く修理する方法をご紹介

2024年9月30日

【保存版】車のエアコン修理費用の相場!よくある7つの故障症状と故障箇所、安く修理する方法をご紹介

車を使用していると様々な故障が付き物ですが、エアコンの故障はよく発生する故障の一つです。特に夏場の暑い時期にエアコンが故障してしまうと、汗だくで車を運転することになります。エアコンが効かない車内でドライブなんて考えられませんね…。

車のエアコン修理ってかなり高いって聞いたこともあるから、不安だな…。
修理費用が高いのも困るから、しばらく様子見ようかな…。

と思っている方も多いはず。

エアコンの不調は一時的な可能性もあるのですが、長く不調が続くようであればどこかしらが故障している可能性が高くなります。車のエアコンというのは家のエアコンとは違いエンジンとも関係しているため、エアコン単体が故障しているだけでなく車全体に影響するような故障となっている場合もあります。

エンジン周りの故障が起きていると、最悪の場合エンジン自体がオーバーヒートしてエンジンの載せ替えが必要になるようなケースもあります。「エアコンがちょっと効かないだけだし、ちょっとの間我慢すれば良いか。」と放置していると、取り返しのつかない大きな故障に発展する可能性もあるのです。

そのため、車のエアコンに不調がある場合、まずは早めに点検してもらいましょう。その上で修理するべき箇所はなるべく早めに修理してしまうべきです。この記事では、車のエアコンが故障した時に疑うべき故障箇所とその不調現象修理にかかる費用と修理費用を抑える方法についてご紹介しています。

車自体の寿命を伸ばすためにも、エアコンの不調は放置せず、故障箇所を特定してもらい早めに修理しましょう。

エアコンの故障箇所と不具合の現象

エアコンの故障箇所と不具合の現象

車のエアコンは家のエアコンと違い、そのもの単体で動いているわけではありません。電源を引っ張るバッテリーもありますし、空気を送るファンはエンジンとも連携しています。さらに、空気を冷やすエバポレーター(熱交換器)やサーモスタット(温度計測する機器)はエンジンの冷却とも関係している部品です。

そのため、エアコンに不調が出ているということは車の心臓であるエンジンにも何かしらの故障が起きる可能性があるということ。たくさんのパーツで構成されている車だからこそ、エアコンが不調の時には関係する箇所を全て確認していかなければいけません。

ここでは、エアコンの不具合現象に対して、その原因と考えられる故障部品についてご紹介していきます。不調の症状と故障部品を確認し、後で記載する修理費用を照らし合わせてエアコン修理費用を予想しておきましょう。

風がぬるい:エアコンガスが不足している、もしくは漏れている

風がぬるい:エアコンガスが不足している、もしくは漏れている

エアコンの吹き出し口から風が出てくるのに、その風がいつまで経っても冷たくならない場合があるでしょう。車のエアコンはエンジンをかけてすぐに冷たい風が出るわけではないのですが、数分〜数十分経っても温度が変わらない場合は故障している可能性があります。

車のエアコンは内部にガスが入っており、そのガスが循環することで空気を冷やして放出しています。このエアコンガスが規定量に達していない(不足している)場合には空気が思ったように冷えず、いくらエアコンを付けていても常温の風が出てくる送風状態になってしまうのです。

エアコン内部のガス管は機密性が高く、通常使用ではガスが漏れないような設計となっています。しかし、車を長年使用していると徐々にガスが漏れ出してガス量が減ってしまったり、ガス管に亀裂が入ってそこからガスが漏れ出してしまうことがあります。ガスが減っているだけなら補充すれば良いのですが、ガス管に亀裂が入っていたり、接合部に隙間が開いてしまっている場合には大きな修理が必要。

風がぬるい:コンプレッサーが故障し、ガスが圧縮されていない

風がぬるい:コンプレッサーが故障し、ガスが圧縮されていない

エアコンの風がぬるい場合、ガス不足だけではなくコンプレッサーが故障している可能性もあります。エアコンガスの漏れもなく、ガス量も規定通りに入っているのであればコンプレッサーの故障を疑うべきでしょう。

コンプレッサーというのは気体に大きな圧力を掛けて圧縮するための装置。エアコンの場合はコンプレッサーを使用してエアコンガスに高圧をかけて圧縮し、気体であるガスを液体に凝縮させるために用いられます。液化したガスが循環していくうちに気化していくのですが、この時に熱を奪って周囲の温度を下げてくれるのです。

つまり、コンプレッサーが壊れているとガスが圧縮されないため空気を冷やすことができません。エアコン本体は通常通り送風してくれるのですが、コンプレッサーが故障しているため冷却されない常温の空気が出続けてしまいます。

冷房も暖房も効かない:冷却水が不足、もしくは漏れている

冷房も暖房も効かない:冷却水が不足、もしくは漏れている

車のエアコンには冷房と暖房があり、よく聞くのは冷房時の故障ですが、時には暖房も効かなくなってしまう故障があるのです。暖房も効かない場合にはエンジンの冷却水(クーラント液)が不足している可能性があります。

車のエンジンは内部で燃料の爆発を繰り返しながらピストンを稼働させ、その動力がタイヤを回転させている仕組み。つまり、走行時にはエンジン自体がかなり高温になります。といっても高温のまま使用し続けるとオーバーヒートして壊れてしまうため、冷却水(クーラント液)がエンジンを冷やしてくれるのです。エンジンとラジエーターの間のウォーターポンプを通って冷却水が循環することによって、エンジンが出している熱を吸収しています。

冷却水はエンジンが発生させている熱を奪い、ラジエーターを通る時に温度が下がります。そして、冷やされた冷却水がまたエンジン側へ送られてエンジンの熱を奪い、ラジエーターへ戻ってくるという循環によってエンジンの温度を一定に保ちながら走っているのです。

冷却水がラジエーターを通って冷やされる際、そこで冷却水から奪った熱を車内に送り込んで暖房として使用しています。つまり、冷却水が減っていると、エンジンを冷やすことが出来ませんし、エンジンからの熱を奪ってくることが出来ないため暖房も機能しなくなってしまうのです。

お察しの通り、冷却水不足は暖房不調だけではなく、エンジン自体にも大きな負担をかける原因となるため、早めの補充が必要です。

冷房も暖房も効かない:サーモスタットが故障して温度認識されていない

冷房も暖房も効かない:サーモスタットが故障して温度認識されていない

冷却水が十分に補充されているのに暖房が機能しない場合、サーモスタット(温度計測の機器)が故障している可能性があります。

サーモグラフィというものをご存知でしょうか?温度の高いところは赤く表示され、逆に低いところは青く表示されるような、温度を可視化できるカメラのことです。通常では見えない”温度”を可視化するための機械。

同じようなものが車にも搭載されており、そのサーモスタットが冷却水の温度を常に管理しています。サーモスタットが冷却水の温度を検知してくれていることにより、車はエンジンの状態に合わせた温風を吐き出すこと(暖房)が出来ているのです。

エンジンをかけてすぐのタイミングや冬場の時期はエンジンがなかなか温まりません。先ほど述べたように、暖房を使用するためにはエンジンの熱が必要なのですが、エンジンが温まっていない(冷却水が熱くならない)と暖房が使用できません。

このような場合、サーモスタットが冷却水の温度を検知して、冷却水がラジエーターを通らずにエンジン内を循環するように車へ指示を出します。すると、冷却水は規定温度に達するまでラジエーターで冷やされることなく、エンジン内を循環して通常より速い速度で熱を吸収していきます。冷やされずに熱くなった冷却水がエンジン内を循環することにより、エンジンの暖機を早めてくれるのです。

サーモスタットというのは、冷却水の温度に合わせて冷却水をエンジン側へ回すか、ラジエーターを通して冷却するかを選択する重要な働きをしている部品です。サーモスタットが壊れていると、エンジンが温まっていないのに冷却水で延々冷やし続けてしまったり、逆にエンジンが高温になっているのに冷却水をラジエーターで冷やすことが出来なくなってしまいます。

その結果、暖房を使用しているはずなのに暖かい空気が出なかったり、エンジンが冷やされずオーバーヒートしてしまったりするのです。ラジエーターの故障はエアコン不調だけではなく、エンジンのオーバーヒートにも繋がるため、早期の修理が必要です。

風が出ない:ブロアモーター(ファンモーター)が故障して風が送れない

風が出ない:ブロアモーター(ファンモーター)が故障して風が送れない

エアコンを使用しているのに風が出てこない場合、ブロアモーター(ファンモーター)が故障している可能性があります。

ブロアモーターというのは風を送り出すためにファンを回しているモーター部品のことです。出力によりファンモーター、ブロアモーターと呼び名が違いますが、基本的には同じものと考えて結構です。

ブロアモーターが故障しているとファンが回転せず、風を送ることが出来ません。いくらエアコン内部で冷たい空気を作っていても、吹き出し口から送り出すためのファンが回っていないので風が出てこないのです。

一般的にブロアモーターは車内(グローブボックス付近)に位置しているパーツであるため、故障している時には「カラカラ」、「キュルキュル」といった異音が発生します。エアコンを付けても風が出て来ず、グローブボックス付近で異音がする場合にはブロアモーターの故障を疑いましょう。

信号待ちや停車中にエアコンが効かない:ラジエーターファンの故障

信号待ちや停車中にエアコンが効かない:ラジエーターファンの故障

通常走行時にはエアコンが使用できるのに、長めの信号待ちや停車時にはエアコンが効かないようなケースも。この場合、ラジエーターファンという部品が故障している可能性が考えられます。

エアコンで使用する空気を冷やすためにはエンジン、冷却水、ラジエーターが関係しています。稼働して高熱になったエンジンを冷やすために、冷却水がエンジンとラジエーターを循環しています。熱くなった冷却水を冷やす役割を持っているのがラジエーターです。

通常走行時であれば、走行していることによって車に当たる風を利用してラジエーターは冷却を行います。しかし、信号待ちや停車時には風が当たらなくなるため、ここでラジエーターファンがラジエーターに対して風を送るのです。ラジエーターファンがあることによって、走行していなくてもエンジンを冷やす補助が出来ているということ。

しかし、ラジエーターファンが故障していると停車時に冷却水を冷やすことが出来ず、エンジンが高温になっていきます。つまり、冷却装置が正常に稼働しないため、冷却水の熱を利用しているエアコンも正常に稼働しないということ。

ラジエーターファンの故障はエアコンの不調だけではなく、エンジンそのもののオーバーヒートにも繋がるため、少しでも異常を感じた時には早期修理が必要です。停車時にエアコンが効きにくい場合には、まず車屋さんへ持ち込んで点検してもらいましょう。

出てくる風が臭い、風量が弱い:エアコンフィルター、エバポレーターが汚れている、詰まっている

出てくる風が臭い、風量が弱い:エアコンフィルター、エバポレーターが汚れている、詰まっている

エアコンを使用して通常通り風は出てくるのに、その風が臭い時がありますね。部屋干しの湿気たような匂いがしたり、カビ臭かったりと臭いは様々ですが、悪臭を放つ空気が吹き出してくる時があります。そのような場合は、エアコンフィルターやエバポレーターの汚れが原因と考えられます。

エアコンフィルターというのは家庭用エアコンと同じく、エアコンの風を吹き出す際のフィルターです。車のエアコンにも同じようにフィルターが装備されているのですが、長年使用されているとフィルターに汚れが詰まったり、湿気でカビが生えている可能性があります。

エバポレーターというのは熱交換器のことで、コンプレッサーで圧縮されて冷やされたガスの熱を奪っている場所です。ガスが気化する際に周囲の熱を奪っていくのですが、この時に空気を冷やしているのがエバポレーターになります。ここに不調が起きると湿度も高くなり、カビが発生する可能性もあります。

フィルターやエバポレーターは車内に流れ込む空気が通る場所なので、そこが汚れていたりカビが発生していたりすると車内に悪臭を放ちます。カビの胞子をそのまま車内に送り込んでいる可能性もあり、健康面を考えても定期的な点検や交換が必要になる部品なのです。

エアコンの風量が弱い時も、このフィルターやエバポレーターが詰まって空気が通りにくい状況を作っている可能性があります。

車のエアコン修理費用の相場

車のエアコン修理費用の相場

車のエアコン不調と言っても、上で述べたように様々な部品が関係しています。単純なフィルターの詰まりやガス不足から、コンプレッサーやモーターの故障まで、エアコン修理はとても幅広い範囲が影響してくるのです。エアコン修理をする時には不調の原因となっている箇所を特定し、その部品を修理もしくは交換する必要があります。

簡単な交換作業から複雑な修理作業まで、エアコン修理というのは原因によって様々。数千円で済むようなものから数万円、数十万円の修理費用になるケースもあります。

実際の修理費用は修理するお店によって異なります。ディーラー、車屋さん、ガソリンスタンドでも修理費用は異なりますし、車屋さんの中でも修理費用は様々。ここではエアコン修理費用の一例をご紹介します。

エアコン修理費用の参考価格

修理箇所修理価格の目安
エアコンガス補充3,000円〜5,000円程度
ガス管の亀裂補修(ガス漏れ修理)20,000円〜100,000円程度
コンプレッサーの故障修理、交換50,000円〜150,000円程度
サーモスタットの故障修理、交換10,000円程度
冷却水の交換5,000円〜10,000円程度
ブロアモーターの故障修理、交換20,000円〜50,000円程度
ラジエーターファンの故障修理、交換40,000円〜80,000円程度
エバポレーターの故障修理、交換50,000円〜100,000円程度
エアコンフィルターの交換2,000円〜5,000円程度

エアコンガス補充:3,000円〜5,000円程度

エアコンガスの補充だけで済む場合、車種によりますが3,000円〜5,000円ほどの費用でエアコンが元通りに使用できるようになります。エアコン修理の中ではかなり安い部類となり、エアコンガス補充で済んだのであれば喜んで良いでしょう。エアコンガスの補充は30分程度で作業してもらえます。

エアコンガスの補充は車屋さんだけではなく、ガソリンスタンドでも行ってもらえます。ちょっとエアコンの効きが弱い場合にはガソリンスタンドの店員さんに声をかけてみるのも良いでしょう。

ガス管の亀裂補修(ガス漏れ修理):20,000円〜100,000円程度

エアコンが弱い場合にまずはエアコンガスの不足を疑うのですが、エアコンガスを補充してもエアコンが効かない時にはガス漏れを疑います。エアコンガスが通っているガス管に亀裂が生じていたり、接合部に隙間が出来て漏れ出している場合にはその場所を修理してもらわなければいけません。

費用も車種や状況によって異なるのですが、20,000円〜100,000円程度で修理してもらえるのが一般的な相場です。少し高く感じるかもしれませんが、エアコン修理としては安い部類であり、亀裂が入っている状態では何をしてもエアコンは効くようになりません。

コンプレッサーの故障修理、交換:50,000円〜150,000円程度

エアコンのコンプレッサーが故障している場合、修理というよりは交換になるケースが多くなります。費用としても50,000円〜150,000円程度の交換費用がかかるので、割と大きな修理となりますね。車種によってコンプレッサーの種類も違いますし、コンプレッサーがどの位置に配置されているかも違うため、一概に費用を出しにくいのが正直なところ。

コンプレッサーの交換は比較的高い修理となるため、古い車に乗っている場合にはエアコンコンプレッサーが壊れた段階で買い替えを検討する方も多くおられます。実際、コンプレッサーは交換が可能な部品であり、壊れている状態でもそこまで査定額を落とさずに(修理費用ほどは損しない)売却できます。

サーモスタットの故障修理、交換:10,000円程度

サーモスタットは比較的安価な部品であり、交換費用も10,000円程度。温度検知をしている部品なので高額なイメージがありますが、コンプレッサー等の交換に比べるとかなり安い修理となります。ただ、外車の場合はサーモスタットが設置されている箇所が複雑であったり、と修理費用もまちまちです。

サーモスタットの故障は素人では判断出来ないため、まずは車屋さんへ持ち込んで点検してもらうのが良いでしょう。

冷却水の交換:5,000円〜10,000円程度

冷却水の交換はエアコンガスと同様、比較的安価で交換してもらえます。多くの場合は5,000円〜10,000円程度で交換してもらうことが可能で、ガソリンスタンドでも交換してもらえますし、カー用品店にクーラント液が販売されているため、素人でも交換可能です。

ただ、クーラント液にも種類があり、赤色や緑色の2年交換のものや、青色やピンク色など7年〜10年交換のロングライフクーラント液があります。混同してしまうとエンジンに不調が出る可能性もあるため、知識がない方は車屋さんで交換してもらった方が確実でしょう。

ブロアモーターの故障修理、交換:20,000円〜50,000円程度

多くの車種でブロアモーターは室内からアクセスする箇所に位置するため、交換費用もそこまで高額にはなりにくいです。と言っても修理して使い続ける部品ではなく交換になるため、20,000円〜50,000円程度の交換費用がかかります。

ダッシュボード裏の作業になるため、専門家でなくとも車に詳しい方ならご自身で交換できるかもしれません。インターネットの自動車パーツ販売サイトでは各車のブロアモーターが単品で販売されています。

しかし、車に詳しくない方は基本的に自分で交換することは避けた方が良いでしょう。周囲の取り外しまで出来ても、実際にブロアモーター本体にアクセスして交換する作業は大変です。交換費用は車種によって大きく異なるため、まずは車屋さんに相談してみましょう。

ラジエーターファンの故障修理、交換:40,000円〜80,000円程度

多くの場合、ラジエーターファンはエンジンルームの前方に位置する部品です。ラジエーター、エンジンとも関係する部品となるため、交換の手間もかかり高額な修理になりやすいものです。

ラジエーターファンの故障を断定することは難しいため、停車時に不調を感じた場合には車屋さんへ持ち込んでみましょう。ラジエーターファンの故障はエアコンだけでなくエンジン自体にも影響するため、なるべく早期対応が必要です。

エバポレーターの故障修理、交換:50,000円〜100,000円程度

エバポレーターは「熱交換器」という名前の通り、複雑な部品となっています。そのため、交換する際には50,000円〜100,000円程度の費用が必要となる高額修理。

しかし、エアコンの匂いや風が弱いだけの場合には内部の汚れが原因となっている可能性もあり、交換ではなく清掃で対応できるケースもあります。まずは車屋さんへ持ち込んで点検してもらうのが良いでしょう。

エバポレーターは下のエアコンフィルターと同じく1年間の使用、もしくは10,000km走行を目安に洗浄してもらうことが推奨されています。空気が流れている箇所なので、定期的な清掃によって車を長く気持ちよく使用できます。

エアコンフィルターの交換:2,000円〜5,000円程度

エアコンフィルターは2,000円〜5,000円程度で交換できるものであり、エアコン修理の中でもかなり安価な修理となります。グローブボックスからフィルターを交換するだけなので頑張れば素人でも作業可能ですし、カー用品店でもエアコンフィルターが販売されていたりします。

実はあまり知られていませんが、エアコンフィルターは1年間の使用、もしくは10,000kmの走行を目安に交換が推奨されています。常に空気が通っている箇所なので、定期的な交換が必要となるのです。さらに、喫煙車の場合は汚れるスピードも早いため、もう少し早めの交換が推奨されています。

車のエアコン修理をしてくれるお店

車のエアコン修理をしてくれるお店

車のエアコン修理といっても、冷却水の補充やエアコンフィルターの交換程度であれば素人でも作業可能です。液を入れる、フィルターを差し替えるだけの作業なので、ちょっと調べながら作業すれば簡単に出来てしまいます。

しかし、それ以上に故障箇所を断定したり、電気系部品を交換する必要がある場合にはやはりプロにお願いするしかありません。高額な修理費用となる可能性もありますが、しっかりと原因を特定してもらい、必要な箇所に関しては修理や交換してもらわなければ通常使用は難しいでしょう。

といってもエアコンの各種修理は板金工場や修理専門店でなくても引き受けてくれます。ここでは、車のエアコン修理をしてくれるお店をご紹介します。

ディーラーは修理費用が高いので避けた方が良い

自動車メーカーの販売店(ディーラー)でも、もちろんエアコンの修理は受け付けてくれます。自身がディーラーで車を購入している場合、まず最初にイメージするのがディーラーでの修理かもしれません。

しかし、ディーラーは修理費用が高くなるケースがあるためお勧めできません。他の車屋さんであれば数千円で出来るような修理であっても、ディーラーだと一桁高くなってしまう場合があるのです。

これはディーラーに修理をお願いしても、実は外部の修理工場へ発注されているケースがあるからです。そのお店で全てを対応しているわけではなく、提携修理店へ持ち込まれれるため中間マージンが発生します。さらに、ディーラー修理であれば基本的には純正部品の新品を使用した交換費用となるため、そもそも部品費用が高いのです。

また、ディーラーは1時間あたりの作業工賃が細かく決められており、なおかつ他の修理工場よりも高い作業工賃が設定されています。メーカーや地域によっても異なりますが、1時間1万円ほどの作業工賃が設定されているため、安い部品や簡単に出来る作業でも交換費用が高くなってしまうのです。

街の車屋さんで修理対応可能

車のエアコン修理は街の車屋さんでももちろん修理対応可能です。初めてのお店でも事前に連絡しておけばスムーズに対応してくれるでしょう。

まずは故障箇所の特定から始めることになるのですが、その辺りは専門スタッフの方にお任せしましょう。多くの場合、修理箇所と見積もりを出してもらうまでに30分〜1時間ほどかかります。交換箇所によっては中古部品やリビルド品を使用することも可能になり、交換部品の費用が大幅に抑えられるためディーラー修理よりは安く済ませられるでしょう。

ディーラーと違い、メーカー各社の対応を行なっていますし、外車の修理も受け入れてくれる車屋さんがたくさんあります。しかし、メーカー保証を使う場合などは対応が難しいケースもあるため、まずは一度相談してみましょう。

ガソリンスタンドで修理依頼

エアコン修理はガソリンスタンドでも対応してくれます。ガソリンスタンドの多くは無料点検のサービスを行なっており、エアコンの点検もしてくれます。夏前の時期などはガソリンスタンド各社でエアコン無料点検キャンペーンを行っていますね。もし不具合が見つかったら、その場で修理の見積もり依頼できる手軽さが便利。

ただ、ガソリンスタンドはあくまでもガソリンスタンドなので、対応できる範囲はお店によって異なります。修理・整備専門のスタッフが在中しているような大型のガソリンスタンドであれば良いかもしれませんが、街の小規模ガソリンスタンドではその場で対応ができない可能性もあります。そうなると外部修理店への依頼となるため、やはり修理費用が高額になりがち。

ディーラーでの修理に比べれば安価に修理対応してくれるガソリンスタンドが多い印象ですが、車屋さんやカー用品店と比較すると少し高い修理費用になる可能性も十分にあります。

カー用品店で修理してくれる場合も

オートバックスやイエローハットなどのカー用品店はエアコンに関するパーツも多数販売しています。そのため、その場で修理を行ってもらうことも可能。交換パーツも豊富にあり、その場で部品を選ぶことができるため、なるべく安いメーカーの部品で交換してもらうこともできます。

カー用品店は一般の方が利用される店舗であるため、自身で交換できるような部品はその場で購入することも出来ます。インターネットで交換方法を調べれば自身でも作業できるため、エアコンの点検をしてもらってから自身で出来そうな箇所に関しては部品を購入して家で交換することも可能。

カー用品が揃っているため細かな交換や修理は安価に済ませられる反面、コンプレッサー、ブロアモーターの交換など大規模な修理となると高額になるケースも多々あります。カー用品店のスタッフで対応できる範囲も限られているため、もし対応範囲外の修理となると外部の修理店へ依頼する形となるためです。

軽度の修理であれば安価に済ませることもできるため、まず一度見積もりを取ってみても良いでしょう。

修理費用を少しでも安くするために

修理費用を少しでも安くするために

エアコン修理は数千円で済むものもありますが、中には10万円を超える高額修理になるケースも多々あります。エアコンの調子が悪い時には直ぐにでも直したいと思うものの、あまりに高額な修理になってしまうと修理を控えてしまう方もいるでしょう。

エアコン修理はよくある修理なので、どの車屋さん(修理店舗)でもそこまで修理費用に大きな差は生まれません。ディーラーは業者間の中間マージンが発生したり、作業工賃が高く設定されていたりするので高くなりがちですが、一般的な車屋さんであればそこまで大差ない印象です。

と言っても、なるべくエアコン修理費用を抑えたい方向けに、少しでも安く修理してもらう方法についてご紹介します。実際に車屋さんへ持ち込んだ際には、下記のような内容を確認してみると良いかもしれません。

リビルドパーツで交換してもらう

エアコン修理費用を安く抑える方法の中で一番大きなポイントが、リビルドパーツを使用した修理です。

リビルドパーツというのは大枠で言えば中古品なのですが、ただの中古品ではなく、中古パーツをオーバーホールし新品に近い性能にまで戻したパーツのことを呼びます。つまり、新品よりは安い価格で購入できるのですが、その性能自体は新品と大差ないもの。

中古品として出回っているものや、廃車となった車体から取り外したパーツを分解、点検、洗浄、修復して再利用できる状態にまで戻したリユース品です。中古品と呼ばれるものは使用されて中古となった状態のものを呼びますが、リビルド品は中古品をオーバーホールしているため新品に近い状態で再利用できます。

リビルド品はオーバーホールされていますが、新品の6割程度の価格で販売されています。つまり、10万円ほどするコンプレッサーであっても、リビルド品を使用すれば6万円ほどで購入できるということ。交換の工賃は変わらないのですが、部品そのものが高い修理の場合はリビルド品を使用するだけで修理費用をグッと抑えることができます。

一度使用されたことがあるため安く販売されていますが、性能には問題がないのでおすすめです。

メーカー保証が使えないか確認

新車で購入している車体にはメーカー保証が付いています。これは、車両を製造したメーカー自身がその動作を保証する制度であり、保証期間内に問題が起きた場合には無償で修理してもらえます。

メーカー保証には一般保証と特別保証があるのですが、エアコンの故障は一般保証に該当する修理です。一般保証の期間は通常の場合、購入から3年、もしくは60,000km走行以内と制限されており、その期間内であれば無償で修理を受けられます。

エアコン修理の場合でも、一度メーカーに保証が使用できないか確認してみましょう。

中古車の場合、販売店保証もある

進者の場合にはメーカー保証を使用するのが多いのですが、中古車の場合でも販売店が独自に行なっている保証を受けられる可能性があります。これは自動的に付いている保証ではなく、中古車を購入するときに保証パッケージ等に加入している人が対象。保証パッケージは有料の場合が多いため、車両購入時に保証パッケージに加入していない人は保証を受けることはできません。

さらに、保証内容にエアコンが含まれているかどうかはその販売店の保証内容によって異なります。そのため、保証には加入しているけれどエアコンは修理対象外というのもよくあるケース。

自身が中古車購入時に保証パッケージに加入したか覚えていない、もしくはエアコンが保証の対象になるか分からない場合、一度購入した店舗に確認してみても良いでしょう。

工賃の安い修理工場を探す

リビルドパーツを使用すれば交換部品を安く購入できるのですが、必ずかかってくる工賃を安く抑えるのも修理費用を安く抑えるコツです。交換部品の金額は同じ場所で購入すればどの修理工場でも同じですが、その部品を交換する費用は各修理工場によって異なります。

自動車整備における工賃というのは

工賃 = 自動車標準作業点数 × レバレート(1時間あたりの基本工賃)

で計算されます。ここにある「自動車標準作業点数」というのは日本自動車整備振興会連合会によって作業ごとに定められているものであり、どの修理工場でも同じです。つまり、工賃はレバレートと呼ばれる1時間あたりの基本工賃によって異なり、このレバレートは業者ごとに自由に決められているため、レバレートが低い修理工場を選ばなければいけません。

と言ってもレバレート(1時間あたりの基本工賃)は給料のようなものなので、一般に公表されているものではありません。傾向としてディーラーは高く設定されていますし、都心部の修理工場や整備工場も高く設定されています。逆に地方の整備工場であれば低く設定されていることが多く、修理費用が安く済みます。

レバレートの例

業者レバレート(1時間あたりの基本工賃)
外車や高級車のディーラー¥10,000〜¥15,000
一般ディーラー、都心部の整備工場¥9,000〜¥12,000
地方の整備工場、小規模修理店¥6,000〜¥8,000

エアコン修理のためにあまりに遠い修理工場まで持っていくのは大変かもしれませんが、エアコン修理はどこに頼んでも同じ手順で行うものであるためディーラーよりは修理工場や整備工場に持っていく方が安く済むでしょう。修理の品質に差が生じる可能性はありますが、エアコン修理は修理というよりも部品交換になる可能性が高く、そこまでスタッフの方の腕の違いは起きない印象です。

筆者のエアコン故障と修理費用

筆者のエアコン故障と修理費用

実は私自身、過去数台の車でエアコン修理を行なっています。冷たい風が出なくなった事もあれば、風自体が出なくなった事もありました。ここでは実際に私自身が体験したエアコンの故障と、その修理費用についてご紹介します。

NISSAN ティーダのエアコンガス管亀裂

NISSAN ティーダを購入して初めての夏、猛暑になるまで気付かなかったのですがエアコンを使用していてもなかなか車内が冷えない。エアコンを冷房にしてフル稼働してみても、吹き出し口からは生ぬるい風が出てくるだけでした。

「次の車を購入するまでの繋ぎに買った車だから、別に良いか。」と思っていたんですが、「真夏になってエアコンの効かない車に乗るのは耐えられない!」と思い、エアコン修理をちょっと検討…。そんな時にふと立ち寄ったガソリンスタンドでエアコン無料点検をしていたので、スタッフの方にお願いして点検してもらいました。

点検してもらうとエアコンガスが不足しているとのことで、その場でエアコンガスを補充してもらいました。数十分待った後に声をかけていただき、話を聞くと「エアコンガス管に亀裂が入っていて、エアコンガスを補充してもガス圧が上がらない。」とのこと…。さらに、修理するとなると10万円ほどかかると思うから、一度他の修理工場でも見てもらった方が良いかもとアドバイスしてもらえました。

ガソリンスタンドからの話だけで即決できる金額でもなかったため、近くの修理工場へ持ち込んでみると案の定、同じように「ガス管に亀裂があるからエアコンガスを入れても漏れてしまっている。」と…。修理の見積もりを取ってみると15万円を超える金額だったため、修理工場での修理はキャンセルしてガソリンスタンドへ修理をお願いしました。

ガソリンスタンドでの修理で10万円ほど

実際にガソリンスタンドへ持ち込むと部品の手配や修理ピットの確保で1週間後に来て欲しいとお話をいただき、実際に1週間後に修理してもらいました。修理自体は1泊2日程度だったと記憶しているのですが、やはり修理費用は10万円を超えていた記憶があります。

エアコンガス管の亀裂は1箇所の小さな亀裂であればそこまで多額の費用がかからないようなのですが、私の場合は接合部からのガス漏れもあったため高額な修理となってしまいました…。

NISSAN セレナのラジエーターファン不調

2台目は、こちらも同じくNISSANのセレナ。セレナはファミリーカーとして使用していたため、私自身がそこまで毎日運転する車ではありませんでした。しかし、家族で出掛けている時に駐車場で家族待ちをしているとなんだか暑い…。エアコンをかけてるはずなのに風が出ている?出ていない?と分からないほどの微風。

走っているうちは気にならないのですが、真夏に車を停車している時は耐えられないくらいの暑さになっていました。ちょっとの買い物だから車の中で家族を待っている数分も耐えられないほど。

このままでは困ると思い、セレナを購入した車屋さんへ連絡して修理持ち込み。点検してもらうとラジエーターファンの不調とバッテリー不調とのこと。

車屋さんの修理で5万円ほど

真夏にファミリーカーでエアコン不調は耐えられないので、その場で見積もりを取って修理してもらうことに決定。ラジエーターファンの交換で5万円ほどだったと記憶しています。バッテリーに関しては、次回の車検時に入れ替えましょうとのことでその時には交換しませんでした。

車屋さんから代車を借りて2泊3日ほどで修理してもらったような記憶があります。修理後は別の車になったようにエアコンが冷えますし、走行時も今まで以上にエアコンの効きが良くなりました。普段は嫁が運転している車なので、嫁自身も「エアコン効かないなー」くらいにしか思っていなかったらしく、修理が遅れました。

女性は男性ほど車に詳しくない方が多いですし、我が家の嫁は車に興味もないためエアコン不調にも気付かずに放置されていたのです。修理してからは乗り換えるまで不調もなく稼働してくれました。

中古車のエアコントラブルは車両売却も視野に入れた検討が必要

中古車のエアコントラブルは車両売却も視野に入れた検討が必要

エアコン修理はガスの補充や冷却水の補充など数千円でできる修理もありますが、コンプレッサーやファンの交換で数十万円を超える修理となる可能性もあります。よく起きる故障ですが、故障箇所によって修理費用が大きく異なるのが注意ポイント。と言っても、故障箇所はエンジンルームの内部や配管だったりするため、修理費用は実際に点検してもらわなければ分からないものです。

新車で購入した車両であれば修理一択かもしれませんが、もし中古で安く購入した車のエアコンが故障した時に数十万円の修理費用を支払うのは気が引けますね。安く車に乗るために中古車を選んだのに、修理に数十万もかかるのでは意味がありません。かといってエアコンの効かない車に乗り続けるのは、真夏の熱中症も心配。

そういう時には、中古車を売却して新しい車に乗り換えるのも一つの手。

エアコンが故障していても、車って売れるの?
かなり安くしか買い取ってもらえない

と思われるかもしれませんが、エアコン不良の車は査定額もそこまで大きく下がらない傾向にあります。修理すると10万円ほどかかる場合でも、エアコン不良を理由に査定額が10万円下げられることはなく、総合的に手元に残るお金で言えば売却してしまった方がお得。

中古車の場合、エアコンの不調は車を買い替える一つのタイミングになる方も多いため、もし故障している場合には高く買い取ってくれる買取業者を探しましょう。

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自身が過去に車を10台以上乗り換えてきた経験をもとに、車を高く売却して安く購入するコツをご紹介しています。好きな車を無理なく購入して、カーライフが楽しめる情報を発信しています。

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